修行時代に読んだ棋書(棋譜並べ・中盤(棋理)編)

院生になる前(有段者)から修行時代に読んで良かった棋書のリストです。
院生になる前といえば10歳くらいですが、今からおよそ20年前だと思うと感慨深いですね。

今回は棋譜並べ・中盤(棋理)編です。
残念ながら絶版になっている本も多いですが、どれも一読の価値があるものを選出しました。

定石・詰碁・ヨセ編はこちら

棋譜並べ

名局細解シリーズ
雑誌の付録としてついてきたものもありました。
このシリーズは詳しく解説が書いてあり、とても勉強になります。
雑誌の付録は定期券サイズより少し大きいくらいで、持ち運びにはとても便利でした。
自著「一手ずつ解説!棋譜並べ上達法」は、このシリーズから影響を受けています。


日本囲碁大系
古碁を一人ずつ並べるなら、まずはこの本でしょうか。
サイズがものすごく大きいのが欠点ですが、時代の背景がわかる上に詳しい解説もあります。


囲碁古典名局選集


囲碁年鑑
その年の棋譜が大量に掲載されています。
年代順に並べると、流行の移り変わりがわかって面白いです。
院生当時は日本版だけでなく、文字も意味もわからない韓国や中国の囲碁年鑑も並べていました。


幻庵因碩 打碁集―局全人なく局上石なし
古碁の中で私が一番好きな幻庵の打碁集です。
戦闘の多い碁が特色で、石が張っているところが並べていて非常に面白いです。
ポカがたまにあるのも人間味があって良いですね。


丈和全集
幻庵の悪敵手だった丈和の全集です。
丈和の碁も並べていて迫力があります。
画像がないのですが、和綴の漢数字で書かれた古い本です。趣を感じます。


呉清源打碁全集
一番最初に並べた全集です。
とても革新的な打ち方で、勉強になります。


碁神道策
全局的な考え方を取り入れた最初の名人が道策だといわれています。
現代でも通じる碁で、スピード感はまさに圧巻です。
そういえば、この本は院生の同期に貸したまま返ってきていません…


本因坊秀策全集
秀策の黒番は、堅実に勝利を目指します。
勝ち切る碁を学ぶのにぴったりです。


炎の譜~坂田栄男56タイトルの全記録
地にカラく、シノギの坂田と言われた碁は、私の棋風にマッチしていて勉強になりました。


木谷実全集
木谷先生の打つ手には、信念のようなものを感じます。


囲碁名人戦全記録
期ごとに出ている名人戦シリーズの本です。
タイトル戦を観戦記と一緒に追えるので、読み物としても面白いです。


心に残る名局・名勝負―大正、昭和、平成 時代を貫く激闘の棋史
名局を並べながら、囲碁界の歴史が学べます。


囲碁百名局
著名局を網羅しています。
これを並べないと古碁は語れないでしょう。



中盤(棋理)

囲碁 孫子の兵法
実戦で使える理論を孫子の兵法に例えて、わかりやすく解説してあります。


三村流厚みの法則
厚みとは何かをこの本で学びました。


李昌鎬の伝統碁シリーズ
このシリーズはどれも名著です。
級位者の方にもぜひ読んでもらいたい本です。


ゾーンプレスパーク
軽快な筆致ですが、銘琬先生の独特な考え方を深く知ることができます。


新・木谷道場入門シリーズ 壁攻めの極意
この本を読めば、誰しもが実利派になるのではないでしょうか?
それくらいインパクトのある本です。


実力五段囲碁読本シリーズ
このシリーズはテーマごとに詳しく解説してあります。
高段者を目指すにはぴったりです。


李昌鎬の中盤戦略シリーズ
本人の実戦から解説してあります。
トップ棋士が実際に考えた手の理由を詳細に書いてあるところが、非常に勉強になります。


呉清源・王立誠 囲碁の真理を探るシリーズ
コゲイマジマリにはカタツキ一本が良い等と書いてありました。
当時は考え方が高級すぎて正直よくわかりませんでしたが、今のAIがよく打つ手を先取りしてあり、衝撃でした。


定石・詰碁・ヨセ編はこちら
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