囲碁棋士の仕事(対局)

囲碁棋士は年間に何局公式戦を打つの?と聞かれることがあります。
正直なところ、人によります。
これだけではなんなので、以下詳しく説明していきますね。



 棋戦のしくみ 

囲碁の棋戦(大会)というのは一年単位で行われています。
その殆どがトーナメント形式です。
負ければその大会は終了です。
勝てば次もあって、優勝するまで打ち続けることができます。

普通の棋士だと、約10ほどの棋戦に出場できます。
七大タイトルと言われる、棋聖・名人・本因坊・王座・天元・碁聖・十段
また、早碁棋戦の阿含桐山杯、竜星戦などです。
他にも若手限定棋戦、女流棋戦、世界戦、シニア戦、招待制の棋戦などがあり、人によって出られる数が違います。

大体がトーナメントなので、10棋戦に出場して10連敗したらその年は終わりです。
どれも1勝1敗だと、10勝10敗で20局。
2勝1敗なら20勝10敗で30局というふうに、勝てば勝つほど増えていきます。
絶好調の人は、年間70局なんてことも。

 棋戦の持ち時間 

対局では持ち時間が設定されています。1人3時間の持ち時間が一番多いです。
それを使い切ったら、1手1分で打たなければいけません。
10時に対局開始、11時45分から45分間の昼休憩を挟んで打ち続けます。
18時を超えることも多々あります。

盤の前で座って考えるだけなのですが、対局が終わるともうフラフラで汗もびっしょり。
疲労困憊ですが、頭は極度の興奮状態なので、寝付けないこともしばしばです。

アマチュアの方からすれば3時間でも相当長いと思います。
ところが、もっと長い、5時間の碁、2日制8時間の碁もあります。
途方に暮れますね(笑)

 普段の勉強方法 

その対局に勝つために、棋士は普段から研鑽を積んでいます。
その方法も様々です。

詰碁を解く、棋譜並べをする、布石研究、ネット対局、生中継観戦、AI研究など、自宅でできることが多くあります。

また、研究会といって、棋士が集まって集団で勉強することもあります。
練習対局はもちろんのこと、打った碁の感想戦をしたり、最新の流行定石の研究をしたりします。

最近は囲碁AIが発達してきたので、個人で自宅研究する棋士が増えているようです。
AIを使いこなすためにン十万するPCを導入した棋士の話もよく聞きますね。
私もAIを使ってはいますが、試行錯誤の毎日です。