名人戦第四局 宝塚対局現地レポート

名人戦第四局が9月26日、27日に宝塚ホテルにて行われました。
現地大盤解説とYouTube解説の仕事のため現地にいたので、その模様をレポートしたいと思います。




【9/25(水)対局前日】 

 検分 


関係者が揃ったら、検分が行われます。
検分とは、対局室に不備が無いかどうかの確認です。
碁盤・碁石・座布団・照明・空調などをチェックします。
今回は何事もなかったのですぐに終わり、対局者のインタビューが行われました。







対局室の様子。
天井カメラをつけるための櫓は日本棋院のスタッフが一時間かけて頑張ったとのこと。


 前夜祭 

関係者挨拶のあと、対局者の決意表明がありました。
芝野八段のときはファンから「かわいいー!」「頑張れー!」等の声がかかり、非常に和やかな雰囲気でした。
合間にも、写真を撮りたいというファンの列が絶えず、両対局者の人気ぶりが伺えました。

両対局者は翌日の対局のため早めに退場。
その後は、関係棋士が対局の見どころを話す時間です。
私は話す順番が3番目。
他の棋士とネタがかぶるか心配でしたが、AIと棋風の話でなんとか切り抜けました。
詳細な様子等はこちらの朝日新聞デジタルの記事にも載っています。

【9/26(木)対局一日目】

対局は9時開始。私は一日中YouTube解説の担当でした。
色々な棋士にゲストとして出ていただき、盛り上がりました。


対局は序盤から前例のない形になり、検討がはかどりました。
今回の検討のため、「katago」という新AI?を自宅のPCに導入し、リモートで動かしていましたが、これが大活躍でした。
他のAIと異なり、目数が見えるのは画期的ですね。
強さや読み抜け等はまだわかっていませんが、今後に期待です。

17時半に封じ手。夕食は関係者で一緒に食べるのですが、対局者は別行動。
余談ですが、虎丸さんは一人でホテルのレストランに行ったらしいです。
ところが誰にも声をかけられなかったのだとか。

【9/27(金)対局二日目】

午前中はYouTube解説、午後からは現地での大盤解説でした。




封じ手予想は見事に外す結果に。実戦の手は厳しい着想でした。

大盤解説会場の部屋の名前はなんと「すみれの間」。
なんとタイムリーなんでしょうか。

井山さんがいない久しぶりの名人戦だったので客足が心配されましたが、120人以上の方にお越しいただき、大盛況でした。
14時から対局終了の19時まで喋るのは話題も大変でしたが、ゲストで登場していただいた棋士と聞き手の佃先生に助けられ、何とか無事に終えることができました。

碁は非常に難解でしたが、芝野八段がうまくまとめ上げて中押し勝ち。
通算3勝1敗として優位に立ちました。



対局終了後の控室での秘蔵写真。
関西なので虎と書かされる虎丸八段と、4路の詰碁を出題する張栩名人。
4路はこんなに狭いのに、非常に変化が多くて驚きました。

注目の第5局は、10月7~8日に「あたみ石亭」にて行われます。お楽しみに。


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